老人ホーム入居のご相談を受けていると、
最近とくに増えているのが「成年後見人」に関するお話です。
「もう後見人をつけているので大丈夫ですよね」
そう言われることも少なくありません。
成年後見人制度は、とても大切な制度です。
判断能力が低下した方の財産を守り、契約などの法的な手続きを支える役割があります。
ただ、実際の現場では
「思っていた安心」と「現実」との間にズレがある
と感じることも多くあります。
成年後見人で「できること」「できないこと」
成年後見人の主な役割は、
- 財産管理
- 契約行為
- ご本人の権利を守ること
いわば「お金と法律のサポート役」です。
一方で、
- 病院や施設の身元保証
- 日常生活の細かな支援
- 亡くなった後の手続き
これらは、後見人の役割には含まれていません。
そのため、
「後見人がいるからすべて安心」と思って進めていると、
施設探しの段階で
「身元保証会社が必要です」という話になり、戸惑われるご家族も多いのが実情です。
「お金を払っているのに、何もしてくれない」と感じる理由
ご家族から、
「後見人に報酬を払っているのに、結局何もしてくれないように感じる」
という声を聞くことがあります。
これは、後見人が何もしていないのではなく、
期待していた役割と、制度上の役割が違っていることから生まれることがほとんどです。
後見人制度は、生活のすべてを支える制度ではありません。
だからこそ、後から「こんなはずじゃなかった」という気持ちにつながってしまうのだと思います。
老後の安心は「制度の組み合わせ」で考える
施設入居を含めた老後の生活を考えるとき、必要なのは
「どの制度が正しいか」ではなく、
「その方にとって何が必要か」です。
後見人が向いている方もいれば、身元保証や死後事務まで含めた別のサポートが合う方もいます。
一つの制度だけで考えず、役割を整理し、組み合わせて考えることが、結果的にご本人やご家族の安心につながると感じています。
最後に
成年後見人制度は、決して悪い制度ではありません。
ただ、万能ではないということを知った上で選ぶことが大切だと思います。
状況によって必要な支援は本当にさまざまです。
「何が足りていて、何が足りていないのか」一度立ち止まって整理するだけでも、先の不安は少し軽くなるかもしれません。
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